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正面に翼を広げた蝙蝠を、後方には巴紋を配した大型の船形鉢。
蝙蝠の羽の部分は被せガラスを全部削り取り、
胴の部分は凸レンズ状に研磨され
色ガラスが美しいグラデーションをみせている。
船を表現する意匠として、底面から後方の巴文に向かって
透明ガラスの帯がみられる。
蝙蝠は中国では音が「福」に通じることから
古来、吉祥文として工芸品に用いられてきた。
薩摩藩で、このような大陸の意匠が用いられた背景として
琉球との密接なつながりがある。
当時の琉球は中国清朝の文化から多大な影響を受けており
美術工芸品に中国の意匠が多用されていた。
そして琉球を政治・経済的に支配していた薩摩藩では
多くの琉球の職人を働かせていたのである。
この器の用途については一説に盃洗い(盃をすすぐ器)とする
見かたもあるが判然としない。
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